28Jun2025 小説 日本分断 第一章「境界線の朝」 東亀二郎は、朝刊の校了時間を終えても、まだパソコンの前に座っていた。東京湾岸に新設された「東日本政府首都区報道センター」のガラス張りの高層ビル。下を見下ろせば、首都高の湾岸線に沿って、巨大なスローガン掲示板が光っていた。 「未来志向で、効率第一。東日本政府株式会社。」 彼は鼻で笑った。...